2006年02月19日

老父のこと



今日も1日、何もしなかった。今週こそは部屋を片付け、二三、これ以上は引き伸ばせない仕事を片付けようと思っていたのだが・・・。入院中の見舞いにiPodーnanoをもらい、ダウンロードをしようと思いながらそのままになっていた。結局、あれこれ試しながら、ネット購入まではせず、手持ちのCDから300曲近くを読み込ませた。そんなことで午後中かかってしまた。
ご飯を炊き、朝昼と夕食の2回の食事、りんごのおやつ、夜TVを見ながらうたた寝、そして新聞読み。

来週の土・日は東京で大事な研究会がある。実家にも昨年来、数ヶ月帰ってなく、暖かくなってきたので帰ろうかと思っている。
病気のことは、なんて話そうか? まだ本当のことは話していない。

入院前日に、しばらく家を空けるので、老父には外国に行っていると電話を入れた。数週間の外国出張はこれまでもたまにあったので、別段おかしなことではなかった。
家族に内緒にしていて一番困ったのは、手術のときの同意書だった。検査・処置には、必ず説明の後に、本人の同意書署名がいる。手術だけは、本人以外に家族の同意も必要だった。また、術中にもしものことがあるかもしれないので誰かに待機していてほしいとも言われた。
退院して元気な顔を見せられるようになるまでは、入院・手術のこと話せないと思っていた。考慮の末、保証人の署名は職場の上司に頼み、術中の待機と術直後の説明は同僚に頼んだ。

入院は思いのほか長引き、正月休みに帰れそうもなかったので、12月上旬に電話を入れた。韓国中国の出張から戻って体調を崩し、急に入院となり手術を済ませた、と。心配して大阪に来ると言い出しかねないので、入院先は伏せたままにしていた。
その2-3日後だろうか、老父が病室に現われたのでびっくりした。私が何も話さなかったので、職場の上司にいろいろ問い合わせたらしい。
幸い、点滴は続いていたが、嘔吐がおさまり体力も回復していたので、空元気ではあったが普段どおりの私で会うことができた。点滴棒を引きずりながら病室内もうろうろ歩き回って見せた。そんな姿に安心したようだ。

癌だとは話せなかった。慢性膵炎で、胃を少しと十二指腸とともに膵臓の一部を切り取る大きな手術だったが、回復は順調、心配は不要と伝えた。
もともと、家族にはあまり自分のことは語らない方だ。最小限のことしか伝えない。だから逆に心配をかけるのだろうな・・・とは思うのだが。

その後、退院までに何回か病室に電話があった。こちらが、そろそろ電話を入れておかないと・・・、と思うまもなく実家から先に電話が入る。
私の病状説明では納得いかないのか、あるいは昔かたぎの律儀さからか、しきりに主治医に会いたがっていた。主治医は多忙でこちらの都合だけで会えないのだから、と嘘を言った。
職場の方にも挨拶に行かなくていいのだろうか・・・と気にしていた。

「そんなこと言ったって、お前、みなしごじゃないんだから・・・」
親が挨拶に行かなかったら、おかしいじゃないか、というのだ。
”みなしご”という言葉に、東京から大阪に移った娘への距離感が伝わってきた。

やはり、今度の週末には東京に帰ろう。
いずれは再発のこともあるだろうし、元気になったら本当のことを話そうと思っていたが、病名は伝えられない。しばらく、今のままでいくしかない。
posted by 萩 at 03:04| 大阪 ????| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
 私の父ももうだいぶ高齢です。それに少し病気すれすれの頑迷さがこの頃目立ち、家族全体を揺るがします。
 けれど、私自身年をとるにつれ、当然のように生きてこられた毎日が、実はあの「頑迷な」父(やそして母)の防波堤でまもられていたのだ、と感じます。背負う立場になってはじめて、生きることの風波を強く感じるのです。
Posted by 風花 at 2006年02月19日 11:03
萩様
毎日ブログを訪れて、旅先でも萩さんのメッセージに出会うとほっとします。14日以降なかったので・・・お父さんの想いが伝わり涙がでました。心配させまいとする萩さん。優しいですね。健康な者は、時々どのように接するべきか躊躇することもあるのです。昨日N市で数年ぶりにあう友人5人が仕事後お食事をし、私は久しぶりに沢山飲みました。楽しい雰囲気はお酒もおいしいものです。その中に乳ガンの術後の友人が居て、骨転移が見つかって放射線治療と新しい薬物治療を受けて、その効果を実感できていると・・・。彼女の明るさにむしろ励まされたのは私でした。彼女は言いました。このように楽しく普通のつきあい・会話がとてもうれしいと。私たちは良く飲み、笑い3時間半はあっという間に過ぎ、新幹線の最終がなければ語り続けたように思います。いつまで仕事ができるのかと考えるけれど・・と。不確実な中で、さまざまな役割とそして希望の存在が大きな支えなのでしょうか。ブログでお会いできることを楽しみにしています。入院費のこともいろいろと学んでいます。では、また。
Posted by coco at 2006年02月19日 12:12
風花さんへ
いつもコメントありがとうございます。公私ともに大変なことがおありになると、以前のコメントにあって、ああ、そういうことだったのか・・・と思いました。気づかない内に、守られているのですよね。お父様のこと、ご心配ですね。

cocoさんへ
なつかしいお名前です。いろいろなところで使われていましたもの。
旅先での楽しい会合はいいものですね。やはり、仕事とはいえ移動が数日となると疲れますから、こういう楽しいひと時がおありになることを知って嬉しいです。
治療効果が実感できるのが、一番ですね、自信につながります。そのお友達が、いつまでも安定した状態を維持できますように。


Posted by 萩 at 2006年02月20日 00:10
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