2006年02月03日

大阪弁が移った



大阪に暮らして、そろそろ2年。
一番の壁は、なんといっても大阪弁で、これが東京生まれの東京育ちにはよそ者意識につながる。私は、本所の下町っこだ、切れのいいのが身上ときている。そうなんやなぁ、とかの、なぁなぁ言葉、いわはるしぃ、などの"はる"のついた敬語、語尾ののばしはまどろっこしい。

それでも、入院中に大阪言葉が移ってきた。
B先生の診察が終わり、腹帯は自分で締めようとすると、「いけますか?」
「はい、大丈夫、いけます、いけます。」(と、自分であわてて腹帯をしめる。)
「先生、最近、調子いいですよ。」 「ほんまですか?」 「ほんまですよ。」

幼子が、母親から口移しに言葉を覚えるように、病院では主治医やナースが頼りになる存在。B先生や、受け持ちのKナースから、自然と移ってきた。ここでなら、大阪弁が移ってもかまわないと思った。
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東京vs大阪 どっち?



今日は朝から晩まで大事なプログラムが入っているのだが、サボってしまった。若い人たちに任せておこうと自分への言い訳。今週はダラダラな1週間で、月・水と2日しか職場に出なかった。免疫の本を読んでいると、「無理するな」「人に任せろ」なんてことが沢山書いてあって怠け心には恰好な言い訳になる。

1月5日に退院、ちょうど1ヶ月たち、職場復帰に向けての気の張りがゆるんできたのだろう。体調面はなんら支障はないのだが、心理的に振り返りを必要としている。

それで、今日は「食べもん」の話。
藤沢周平の小説で思い出したのだが、美味しそうな食べ物があちこちに出てくる。「海鳴り」では、人妻おこうとの逢瀬で、小鯛や鮎の塩焼きをむしって食べる場面。あさりや蟹の味噌汁。彫師伊之助捕物覚えでは、伊之助が立ち寄る一膳飯屋での数々、焼いた小がれい、山牛蒡の味噌漬け、山形を舞台にした物語では赤蕪の漬物など。

赤蕪の酢漬けは、退院後、早速デパ地下で買ってきた。京都の漬物屋のより、やはり山形のものが美味しい。

入院中は、手術前は胆汁チューブで、術後は胃を1/3切っていたので、食欲がなかった。それに五分がゆ・すい臓食は同じものの繰り返しでまずかった。ラコール(栄養補助ドリンク)よりはましだと、必死で副食だけは食べるようにしていたが。

私の人生で、もう食べる楽しみはなくなったと思っていた。そんなとき、よく、東京の食べ物が思い出された。

好物は、うなぎの蒲焼。元気がないとき、疲れたときはうな重に限る。「宮川」のうな重は、美味しかった。大阪のは蒸していないのでとろりとした味わいに欠けるのと、ご飯と2段重ねで、全体にご飯が多くてご飯の上にちょこっとうなぎが乗っているかんじ。大阪のうな丼・うな重には、いつもがっかりさせられる。

「寿司岩」の寿司。2年の大阪暮らしで、まだ握りを食べていない。どうせがっかりするから。東京から来た同僚が、帰るたびに、築地で握りを食べてくると言っていた。握りもいいが、私は夜の会議でいつも取っていた寿司岩の上ちらし(2000円)がお気に入りだ。ほたてやマグロのいきのいいネタが寿司おけからはみ出さんばかりにのっている。ご飯少な目もいい。外からの参加者も、このちらしが楽しみで来るんですよ、と言っていた。なんといっても、寿司飯に酢がきちんと利いているのがいい。大阪の寿司は、酢が利いてなくてぼんやりした味。

職場の近くにあった小さな店の、江戸前あなごの天丼。あなごが一尾どーんとのっている。1000カロリー近くはあると、あまり食べないようにしていたが、ごま油で揚げたさくさくの衣に甘辛いタレ、とろとろの白身、美味しかった。

天麩羅自体は余り好きではないが、天ぷらそばは別格。本願寺前の(美容院シュブーの向かい)、天ぷらそばは、大きな海老が2匹、汁はかつお出しでやや辛め、それが海老天やそばとよく合う。けれど、食後はのどが渇く。萩山のK国立病院の向かいにある蕎麦屋の天麩羅そばは、特別大きな海老が2匹、わざわざ料理前に見せてくれる。こちらは信州そばが売りで、汁はやや甘め、ボリューム満点、食後は仕事にならないくらい。

カレーは、新宿中村屋のシーフード・カリー。京王線沿線での用事があり、大阪に日帰りで戻るときの夕食の定番だ。食後のインド・ティーは、カルダモンなどスパイスの効いた甘いミルクティーで、これがないとカレーの締めにならない。

パスタは、二番目に美味しいのが「スペッツィエ」のシーフードトマト味、これにタバスコをたっぷりかける。夜10時前に帰れるときはよく立ち寄った。
一番は、自分で作るスパゲッティ。鷹の爪・にんにくと玉葱1個のみじん切りをオリーブオイルでよくいため、トマトホール缶(400g)2缶を加えてつぶし、ぐつぐつと煮込む。アルデンテに茹でたフェデリーニ(4-5分でゆだる細め)にかけるだけの単純なもの。イタリアに数年住んでいた友人に教わったのだが、スパゲティはこれが一番で、外で食べると大体、がっかりする。退院して、先日、早速作って食べたが、やはり一番だった。

大阪で美味しいものはなんだろう?
残念ながら、これがないのだ。お好み焼き・たこ焼き、一応食べたが、とくにどうということなし。これまで外食が多かったのに、忘れがたい味などまったく思い当たらない。
唯一、例外は、泉州水茄子の漬物。
なすの漬物が1個500-600円と高いのだが、これは美味しい。5月に入ると、忘れずに東京の家族や友人に送る。

それ以外に何があるだろう?(大阪の友人・同僚、ごめんなさい。)

ともあれ、退院して、こうしたものが、また美味しく食べられるようになった。胃もだいぶ大きくなってきたし。ありがたいことだ。好物だったコーヒーはまだこわくて飲んでいない。そろそろ、コーヒーが飲みたい。
posted by 萩 at 14:12| 大阪 ????| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする